恋愛映画の定義は「目と目が合った瞬間から何かが始まる映画」
大学時代に朝まで麻雀をした後、8回生の先輩と松屋で映画の話をよくしていた。
その時の何気ない会話を、最近ふと思い返して反芻している。
タイトルのセリフも松屋での会話の一つ。
目と目が合った瞬間って一体なんだろうか?
よく見かける、会話シーンでの切り返しも視線が交差しているといえばそうなんだけど、でもやっぱりそれは「目と目が合った瞬間」ではないんだと思う。
僕が、「目と目が合った瞬間」が確かにあると感じた映画を一つ挙げるとすれば、青山真治の『東京公園』だ。その瞬間とは、血の繋がっていない姉(小西真奈美)と弟(三浦春馬)がキスするシーンのこと。あれは、何回観てもこみ上げてくるものがある。
(C)2011「東京公園」製作委員会
最初観た時は、なんでこんなにもグッとするのか分からなかったけど、松屋でこの話をして何となく分かった気がする。
そういえば、最近『紙の月』を観返して友人と話をしていたのだけど、お互い良かったシーンに「池松と宮沢りえがホームを挟んで出会う」を挙げて盛り上がった。
あれも確かに「目と目が瞬間」だったなぁ。
「目と目が合った瞬間から何かが始まるのが恋愛映画」って端的で分かりやすくて、良い表現だなと、今さらながらその先輩を尊敬する。
おわり