ひき出しのようなブログ

主に映画の感想。忘備録のようなもの。

日本とフランスの難民支援の現状 ~難民支援協会のシンポジウムに行ってみた~

6/21日、東京・飯田橋のアンスティテュ・フランセにて、NPO法人 難民支援協会のシンポジウム「フランス視察報告 ~難民のために働く多様な関係者の出会いから~」が行われてたので参加してみた。

 

話の主な内容は、フランスの難民支援の現状と日本の現状。

何となく「日本の難民支援は成熟していない」というイメージを持っていたけど、フランスがどのように難民と向き合っているか、比較した話を聞けば聞くほど「ここまでヒドイのか……」と唖然してしまった。こういう話を聞くと、日本はまだまだ豊かじゃないんだなぁと思ってしまう。具体的に、出てきた話を挙げてみる。

 

■フランスの難民支援

・難民申請者の生活は、「国の責務として」支援。1日6ユーロ(約700円)と住居を提供。住居が提供できない場合は、30ユーロ(約3600円)を支給

※難民申請は結果が出るまで、平均2年半くらい(日本の場合は)かかるらしい

 

・1次審査も2次審査も政府から独立した組織が行う(日本は政府管轄)

 

・ホームレスのための緊急電話が用意されている。電話をすれば、シェルターが提供される

 

・支援型のNGOには、フルタイムで5000人働いている組織も(難民支援協会は、30人弱だと思われる……)

 

・難民や移民の人達と、サッカーなどの趣味等で繋がれる場の充実。支援ではない形で、同じ社会の一員として接する思想が形成されている

 

■日本の場合(悪い面を中心に)

・昨年2017年の難民認定者数は、19628人の申請に対して20人。まさかの0.1%

こちらは2016年のデータだが、ドイツは41%(263,622人)、アメリカ62%(20,437

人)、フランス20%(24,007人)……と見ていくと、どれだけ異常か分かるだろう。ちなみにお隣の韓国も1%と低いが、難民支援の機運が高まってきているらしい。

 

・難民申請者のセーフティネットがほぼゼロ。なので難民申請した後、結果が出るまでの約2年半の間、ほったらかし状態。しかも就労するのに条件が厳しいので、必然的にホームレスになってしまう人が多い。

 

・滞在ビザを持たない外国人を収容する施設への、収容の妥当性の検討する独立機関も収容の上限もなし。フランスは、収容されてまず48時間以内に裁判官が、その後も1週間ごとに継続的に審査され、収容の上限も定められている。

 

↓こんな記事も見つけた。

人を人として扱わない、悲しいけどそういう状況のようだ。

 

今、難民支援協会がセーフティネットの拡充や支援を行っているが、政策面で何とかしないとマズイよね……。

 

フランスも自然発生的に支援が重層的になっていたのではなく、市民社会が動いて機運を高めていったと話していたので、NGONPOを務める人だけでなく、関心がある人が少しでも動いていかないといけないんでしょうね。自戒も込めて